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コラム

アレルギー対応の最前線:給食現場で“誤提供ゼロ”にする運用のコツ

子どもたちの安全を守るうえで、給食のアレルギー対応は欠かせない課題です。
わずかな食材の違いが命に関わることもあり、給食現場では「誤提供をいかに防ぐか」が最も重要なテーマになっています。

この記事では、給食/食堂に携わる方に向けて、アレルギー対応の際現場ですぐに使えるポイントを整理しました。

アレルギー食

なぜ「アレルギー対応」が最重要なのか

近年、食物アレルギーを持つ子どもは増加傾向にあります。

少量の摂取でも重篤なアナフィラキシーを起こすケースがあり、「少しぐらいなら大丈夫」という油断が命に関わることもあります。

アレルギー対応は単なる「配慮」ではなく、命を守るための「安全管理」。
保護者が安心して子どもを預けられるかどうかは、給食の安全体制にかかっています。

その信頼を守るためにも、人に依存しない仕組みづくり=運用フローの確立が欠かせません。

誤提供を防ぐ為の運用のコツ4選

アレルギー事故の多くは、情報の「伝達ミス」「確認漏れ」「たぶん大丈夫だろう」といった、ささいなヒューマンエラーが原因で起こることが多いです。

これを防ぐには、情報収集から配膳まで、一貫した厳格な運用フロー(決まった手順)を作成することが重要になってきます。

1.情報の収集と共有

  • 医師の診断書(アレルギー疾患生活管理指導表など)を必ずもらう
    保護者や本人からの申告だけでなく、必ず医師の診断・指示が書かれた正式な書類を提出してもらうようにします。
  • 情報を定期的に更新する
    アレルギーの状態は変わることもあるため、「年に1回は必ず更新する」など、定期的に最新の情報を確認するルールにしましょう。
  • 情報を確実に共有
    把握した情報は、栄養士さん、調理スタッフ、配膳担当、クラス担任(学校の場合)など、関わる人全員がすぐに確認できるようにしておくことが重要です。

2.メニュー設計と代替対応

献立作成時は、特定原材料(卵・乳・小麦など)の使用有無を把握し、できる限り共通メニューで提供できる工夫を行います。

除去が必要な場合は、対象者専用の代替食を提供します。

3.調理・配膳のルール

どれほど献立が正しく完璧に作成されていても、現場での配膳ミスや取り違えが発生すれば、その努力は台無しになってしまいます。

何よりも利用者の安全を確保するためには、配膳方法の厳格なルール化が不可欠です。

  • 調理場所の分離
    特定の食材やメニューの調理エリアを明確に分ける。
  • 調理器具の色分け
    使用する調理器具を色分けし、混ざりやコンタミネーションを防ぐ。
  • ラベル等による確認徹底
    ラベルやチェックリストを活用し、提供前の誤認を防ぐ。
  • ダブルチェック体制の導入
    最終的な配膳前に必ず複数人による確認を行う。

これらの対策を組織全体で徹底し、常に実行し続けることが、安全で質の高いサービス提供につながります。

4.教育と運営体制

いかにルールを整えても、守るのは人です。
社員食堂を安全に運営するには、教育・研修・報告体制を仕組み化する必要があります。

スタッフには必ずアレルギー対応の基礎研修を実施するほか、ヒヤリハットの共有や声かけ文化を定着させるようにしましょう。

給食委託の安全対応は「信頼できる委託先選び」から

社員食堂の安全管理の質は、個々の調理技術の巧拙だけでなく、組織全体として確立された「体制」で決まります。

委託会社を選ぶ際には、お問い合わせの段階で、「食物アレルギーへの具体的な対応が可能であるか」について、明確な回答と対応体制を確認するようにしましょう。